イスラーム統治と民主制 : 交差と乖離
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概要
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2003年のイラク戦争時に米国のブッシュ政権は中東地域の民主化構想を掲げた。また、これに先んじてイランでは、1997年にハータミー政権が成立したのを契機にそのイスラーム統治体制と民主制との関係を巡り、活発な論議の展開が見られた。当論ではひとまず、イスラーム統治観の準公式見解を措定し、これを巡るイラン国内のいくつかの見解を提示しつつ、イランのイスラーム統治観からすれば、自由民主主義が持つ如何なる側面と特徴が浮かび上がるか、これを探る。その結果として指摘しうることは、人間が持つ利己性を矯正対象と見なすイスラーム統治観に対して、人間の持つ利己性を容認した上で社会の秩序化を図るという自由民主主義が持つ側面の一つである。
- 同志社大学の論文
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