一神教と多神教をめぐるディスコースとリアルポリティーク (テーマ論文一神教と多神教)
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概要
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本論文では、最初に日本および西洋における、一神教と多神教をめぐるディスコースの事例を取り上げ、その特徴を描写する。さらに、そのディスコースをオリエンタリズムやオクシデンタリズムの中に位置づけることによって、その文化的な構造を析出させ、さらに「偶像崇拝」を補助線として用いることによって、その宗教的な構造を明らかにする。偶像崇拝の禁止は三つの一神教、すなわち、ユダヤ教・キリスト教・イスラームに共通する信仰の基盤であるが、偶像崇拝は決して物質的な意味に限定されず、むしろ人間の作り出す観念やイメージをも含む「見えざる偶像崇拝」として機能する。また偶像崇拝が、近現代においては代替・拡張・反転というモデルの中で再解釈されていることを指摘する。最後に「見えざる偶像崇拝」は構造的暴力の温床になり得ることを終末論・進化論を交えて考察する。また同時に、一神教と多神教をめぐるディスコースが暴力的なディスコースへと転移しないための要諦を示唆する。
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