<論文>戦争論についての神学的考察-宗教多元社会における正義と平和
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概要
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論文本論文では、基督教史の中で現れてきた、戦争をめぐる三つの類型、すなわち、絶対平和主義、正戦論、聖教論の間に生じる緊張関係を解釈し、また、それらが歴史的にどのように受容されてきたのかを考察する。平和を実現するために自らが信じる正義を実行するという考えはキリスト教社会においても、イスラーム社会においても同様に見られる。現実には両者の正義はしばしば衝突してきたが、キリスト教の伝統的な正戦論の中では他の宗教の正義の問題はほとんど扱われてこなかった。本論文では、そうした課題に応えるために比較宗教倫理学的視点を導入する。In Christian history, three types of understanding of war have appeared, that is, pacifism, just war theory and crusade doctrine. The writer desires to interpret the tensions among those three different ideas and to contemplate how each idea has been received historically. In order to realize peace, many people are eager to bring justice into practice in Christian society as well as in Islamic society, although such efforts often contradict each other. On the other hand, justice in other religions has mattered little to just war tradition in Christianity. To respond to that problem, the writer is trying to see matters in a perspective of comparative religious ethics.
- 同志社大学の論文
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