劇症肝炎に対するステロイド動注療法の有効性について
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概要
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劇症肝炎の診断基準が日本で作成されてから,すでに25年以上が経過している。しかしながら,この間,劇症肝炎の治療成績には目立った改善はなく,依然として高い致死率を示している。これは,劇症肝炎のメカニズムの解明が進まず,従って根本的な治療法が生み出されなかったことによる。我々は,劇症肝炎の本態が,肝内マクロファージの異常活性化とそれに伴う肝内微小循環障害によるものであるという考えに立って,2005年からステロイド動注療法を開発・実施してきた。本治療法の導入前後で治療成績を比較すると,顕著な予後改善が認められた。本治療法に伴う副作用は認められず,劇症肝炎に対する本質的な治療法となる可能性がある。(本総説は,2007年6月7日に九州支部で行った学術講演会の概説である。)
- 2007-12-17
著者
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