自己省察としてのパジェント : 『幕間』再読
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概要
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本論は、ヴァージニア・ウルフの『幕間』におけるパジェントを、モダニズム作家の帝国拡張の終焉に伴う「文化人類学的転回」の一例として読むジェド・エスティの論考をふまえつつ、パジェントの役割の再読を試みるものである。本稿では、ウルフがパジェントを用いつつ、それを換骨奪胎して、文学に未来はあるかという問いを発する自己省察的な劇としていると読む。その背後には、英文学とその読者との関係に関心を抱くウルフの危機意識がある。と同時に、新たな文学創造の源を労働者階級の力に求めようとするポーズには、ウルフの複雑な階級に対する意識が垣間見られる。
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