ジャン=ジャック・ルソーにおけるコミュニケーションの主体の形成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小論は、ルソーにおけるコミュニケーションの主体の形成とそこにある基本的問題点、即ち、母の愛を知らずに育ったルソーの直接的コミュニケーション、「心の底からの親しい交わり」への強い欲求は、この欲求を核とする人間の本心を善、社会あるいは大人の悪を子どもの悪の原因とする人間観、及び、これと結びついた、汚れを知らない孤独の中の人間は、技術の発展とともに依存、服従関係でしかない社会に入らざるをえないという社会観をルソーに持たせ、人間がコミュニケーションの主体に成熟して作る社会を、『エミール』以前にはルソーに考えさせなかったということを、更には、それにもかかわらず、『社会契約論』、『エミール』においてルソーはロックやスミスと基本的なところでは同じ人間論、社会論に辿り着いたということを、彼の主要著作の検討を通して明らかにする。
著者
関連論文
- 『記憶と和解 教会と過去の過ち』要旨と考察
- 同時代人のジョン・ロック批判 : ジェイムズ・ロウドとジョン・エドワーズ
- ジャン=ジャック・ルソーにおけるコミュニケーションの主体の形成
- アダム・スミスにおける人間・社会・国家
- 17世紀末イングランドにおける二つの宗教戦争 : 三位一体と義認
- 同時代人のジョン・ロック批判と擁護
- 田宮武さんを悼む
- 晩年のロック思想の展開『知性の導き方』と『パウロ書簡 義訳と注』
- 学部短信 田宮武さんを悼む〔含 田宮武教授の略歴および研究業績〕
- Adam Smith′s Social Philosophy
- ロック・プロウスト寛容論争
- ウォリンダ-のホッブス解釈--Haward Warrender,The Political Philosophy of Hobbes--His Theory of Obligation(Oxford,1957)の検討
- ホッブズにおける人間と社会--市民社会と宗教
- ホッブズにおける人間と社会--自然性,誓約,市民社会
- コミュニケ-ションの主体--アダム・スミスの場合-5-
- コミュニケーションの主体--アダム・スミスの場合-4-