栽培植物に見られる変異性と野生種におけるそれとの比較 : 特に変異性と分布との関係について
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概要
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人工的に特別の処理を施さない栽培植物に見られる変異性の著しさには,その発現に主な二つの原因がある。その1は植物自体のもつ変異性で,その2はその変異性を強調する栽培技術である。この両者は屡々相交錯して,ある形態的変異がその何れに由来するかを分別し得なくなる場合が多い。そして自然にもまた,第2の原因に似た作用があるために,変異の原因を説明するに当つて,それ等が屡々相混乱し,それに栽培による作用が偏重されて,変異の重要な原因をそれによるものと認めようとする傾向が多い。併し多くの場合に変異の素因は植物自体にあるから,それ等を野生品に求め得るものである。以下に報吉するものは,筆者が故藤井健次郎教授の下で集めた材料の内から,特に我国で古くから観賞されたサクラソウ(Primula Sieboldi)を主な材料として,花形と花色に示される変異性の一部の解析を試みたものである。
- お茶の水女子大学の論文
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