実母からの出産体験の伝承に対する妊婦の意味づけ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は実母からの出産体験の伝承(実母が経験した妊娠・出産・育児の体験や,その体験によって感じた思いを実母自身の言葉で表現し,娘に語り伝えること)に対する妊婦の意味づけを明らかにすることを目的とした。妊娠中期・後期の初産婦6名に半構成的面接法によりデータを収集し,質的帰納的に分析を行った。その結果,実母からの出産体験の伝承に対する妊婦の意味づけとして,次の5つの特徴,『母への親密性を強める』『親になる偉大さを感じる』『親準備性に向かう』『次世代への伝承の必要性を感じる』『自己成長のきっかけとなる』が見出された。そして,実母の出産体験の伝承が妊婦の自律性の育成を培い,母性意識の発達を促し,主体的な親になる準備性を支えていることが明らかとなった。本研究における看護への示唆として,伝承により意味づけられた妊婦の主体性をより促進する援助の重要性が見出された。伝承を看護の中に位置づけることで,妊婦の主体性を促進し,妊婦が目指す出産体験を尊重するような援助につなげていく必要がある。
著者
-
山下 恵
高知赤十字病院
-
実積 麻美
独立行政法人国立病院機構京都医療センター附属京都看護助産学校
-
大谷 愛佳
南国市立奈路小学校
-
山崎 愛沙
日本赤十字社助産師学校
-
和田 亜弓
香川県立医療短期大学専攻科助産学専攻
-
谷脇 文子
高知女子大学看護学部看護学科
関連論文
- 166 助産師学生の入学前の助産師志望動機と入学後の学習意欲との関係(Group27 学生教育3,一般演題ポスター,第48回日本母性衛生学会総会)
- 実母からの出産体験の伝承に対する妊婦の意味づけ
- 新人看護師の段階的教育プログラムとOJT (特集 「個」を活かす看護現場の組織力) -- (「個」とチームを育てる 職場への定着を促進するOJT)
- 卒後2〜3年目看護師の臨床能力の発展に関する研究--卒後2年目と3年目看護師の臨床能力の向上・促進と経験の特質