妊婦の羊水検査に関する意思決定
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概要
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羊水検査に関する意思決定は,検査の適応妊娠週数と人工妊娠中絶の可能な期間という時間的制限の中で,倫理的判断を迫られるという特徴がある。本研究は,妊婦の羊水検査に関する意思決定の状況を把握することを目的とした。A市内3施設の妊娠22〜26週の妊婦を対象としアンケート用紙を配布し,郵送法にて回収し,87名から有効な回答が得られ,以下のことが明らかとなった。1)意思決定に際して妊婦にとって重要であったことは,検査の精度や安全性・検査結果・家族意見の尊重であった。2)検査に関する悩みは,検査を受けるかどうかにかかわらず,胎児への思いや人工妊娠中絶に対する自己の感情と葛藤であった。3)検査に関する情報内容は,検査の目的・方法・副作用が中心であり,疾患の知識や障害児の生活,公的支援に関する情報は極めて少なかった。4)検査を受けるか否かの結論を出すのが難しかった妊婦は,「夫支配型」次いで「自律型」の夫婦関係が多かった。以上のことから,夫婦の関係性や夫婦各人の検査に対する認識を把握したうえで,妊婦の主観や感情を受け止める必要がある。また,疾患や障害児育児に対する偏りのない情報を提供することが看護援助として重要と考える。
- 日本母性衛生学会の論文
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