脳腫瘍入院患者に対する早期リハビリテーションの効果
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概要
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脳腫瘍にて機能障害を有した入院患者に対する早期リハビリテーション(以下,早期リハ)の効果を検討した.対象は2004年2月〜2006年1月に当院に入院し,理学療法及び作業療法を施行した脳腫瘍患者133例である.リハ開始時,終了時にBarthel index(BI)を測定し,その改善度,腫瘍別の相違,リハ効果に影響する因子(病側・麻痺側・術後追加療法の有無・高次脳機能障害の有無及びリハ開始時の意識障害の有無)を評価した.全例でリハ終了時に有意なBI値の改善を認め,腫瘍種類別間では神経膠腫群と髄膜腫群でBI値の改善度に有意差を認めた.また,神経膠腫群でリハ期間が有意に長期であり,在宅移行率は高率であった.リハ効果に影響する因子の検討では,右片麻痺群,左側病変群,追加療法未施行群でBI効率が有意に高かった.リハ期間は右片麻痺,追加療法未施行,意識障害(-)群で有意に短期間であった.これらの結果より,髄膜腫では機能改善が良いが,悪性度の高い脳腫瘍患者においては,在宅移行率は高く,積極的な早期リハの重要性が示唆された.病側,追加療法,意識障害はリハ効果に影響する可能性がある.
- 社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
- 2007-12-18
著者
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