マンモグラフィ乳癌検診において局所的非対称性陰影(focal asymmetric density FAD,category 3)と判定された症例の臨床的検討

概要

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乳癌検診で局所的非対称性陰影カテゴリー3 (FADC_3) 86例の精検時MMGについて,新規に提示されたFAD読影評価法に従い再評価を行った。その結果を基に精検時臨床所見との関連性,読影評価法の有用性と問題点について検討した。結果:(1)再評価により検診時FAD C_3例の65%がC_1,35%がC_3と判定された。(2)検診FAD例の乳腺間質型は,著明なprominent duct pattern (PDP)を呈するP_1・P_2型が最も多く,精検時FAD C_3例の97%はP_1・P_2型であった。(3)検診時FAD指摘部位と一致する精検時超音波腫瘤性所見(+)例は,精検時FAD C_3例の80%を占めたが,検診時FAD C_3例の50%以上が超音波腫瘤性所見(-)で,その80%が精検時判定でFAD C_1と判定されていた。(4)FAD読影評価法に準ずる読影上の問題点として,FAD C_1例ではFAD内部構造濃度,特に等濃度の場合の判読。FAD C_3例ではFAD内部構造と境界辺縁の判読に窮する件数が多く認められた。結語:以上の結果から,従来FAD判読基準が不明瞭で判定差の原因となっていたが,新規に提示されたFAD読影評価法は,若干の問題点を有するものの有用性が示唆された。しかし本来FADの位置付けは,正常と腫瘤との中間的陰影であり,特にgray zone的位置付けであるため,今後さらに検討を重ね改善する必要がある。