コンピュータ制御によるラットの記憶実験に関する研究
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概要
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本研究はラットの短期記憶能力を測定するための新たな実験手法を開発すること、実験実施に当たってはパーソナル・コンピュータを利用し、ラットの記憶に関する実験の効率化、省力化を図ることを目的とする。従来、ラットの記憶能力をみるための研究には放射状迷路実験が多く行われてきたが、この実験で得られる結果にはラット特有の記憶能力が反映されるものと考えられていて、ある一つの事象をどのくらいの時間、記憶に保持できるかという比較的単純な事態でのラットの短期記憶の能力を観察するための適当な手法は知られていない。そこで本研究ではそのための実験手法を開発するとともに、ラットの短期記憶能力がおおよそどの程度のものであるかを見てみることとした。実験機器を用いた行動実験では、動物の反応に応じて実験機器の入出力機器の動作を瞬時に順次変化させるなど、実験者の機器操作能力を超える複雑な手続きで実験を行うことが要求されるものが多い。そのような手続きに基づく実験では実験の自動化が必要不可欠必となる。近年のコンピュータの進化にともない、心理学の研究にもコンピュータを利用した実験の自動化が行われるようになってきているが、本研究では、パーソナル・コンピュータに実験機器を制御させることではじめて可能となるようなラットの記憶実験手法の開発も試みてみた。
- 学習院大学の論文
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