Tomonaga-Lipkinの条件と回転運動の微視的理論II : 回転とハートリー場
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概要
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rare earth領域など大きな変形をもつ核の領域では,回転スペクトルが極めて規則的に現われると同時に,Nilsson模型がよく成立っている。つまり回転的励起と一粒子的領起が共に低いエネルギー領域に現われ,それに対し励起のエネルギーはやや高い。このことは回転運動と一粒子的運動の間に何らかの内的な関連性のあることを示唆している。前論文(1)でわれわれは原子核の回転運動を微視的に記述する一つの試みを提出した。そこでは、回転運動をつくり出す演算子(Rotation Generating Operater, RGOと略す)が導入され,その演算子がTomonaga-Lipkinの条件に従うとして、回転運動の分離と正しい内部状態の規定が行われた。また同時にこの分離ができるだけ完全になるように,慣性モーメントの値が決定された。論文(I)において,この方法は簡単な例題としてsingle-j-shell quadrupole force modelに適用され,reasonableな結果が得られた。この前論文(I)の方法によると,回転運動に対する内部状態は,回転がpureであるための条件によって規定され、回転運動の粒子的構造,つまりRGOの粒子的構造と関連して内部状態の構造が決定される。この論文では,(I)の例題で採用した一粒子励起の重ね合わせによるRGOは,回転運動に対する内部状態として,ハートリー場の中の一粒子的運動の状態を与え得ることを示し,回転運動と,ハートリー場の内的な関連を明らかにする。
- 1976-02-20
著者
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