肉用牛繁殖専門経営の飼料生産方式
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概要
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肉用牛繁殖経営は,粗飼料の利用を不可欠とするところから土地への依存度が高い。そこで,本稿においては,(1)繁殖専門経営における経営土地面積規模の変化に対応した合理的な飼料生産方式の解明,(2)標準的土地面積規摸の肉用牛経営における収益性の高い土地利用方式の解明を課題とした。研究方法は,課題(1)では,肉用子牛(素牛)生産と粗飼料の利用方式を12通りの生産プロセス(牧草・青刈とうもろこし)に設定したものについて,労働制限量は家族労働力(基幹労働力)を2人,土地制限量は,土地面積を30ha,40ha,60ha,80ha,100haの6つの規模水準とし,線形計画モデルを構築し課題に接近した。課題(2)では,地帯の標準的な経営土地面積規模(30ha)をもった代表的な3つの土地利用方式を前提とした繁殖専門経営を想定し,各々のタイプごとに最適解を求めた。演算結果によると,課題(1)では,肉用牛繁殖専門経営においては,家族労働力を2人とすると,経営土地面積規模が小さい経営では集約的土地利用が,また土地規模が大きい経営では粗放的な土地利用が合理的であることが,課題(2)では,同一経営土地面積規模のばあい,収益性視点からみると集約的な土地利用方式による肉用牛飼養の方が収益的であることが認められた。
- 日本草地学会の論文
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