入牧開始月が乳用育成牛の発育に及ぼす影響
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概要
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山口県育成牧場に預託されたホルスタイン種雌育成牛中,哺育を終了し,一般入牧牛として育成管理に移行したもの579頭を用いて,その体重の経時的変化を分析することにより,入牧開始月(移行期)が育成牛の発育に及ぼす影響を検討した。1.入牧開始直前の7ヵ月齢体重では,移行期の間に有意な差はなかったが,20ヵ月齢体重では1%水準で有意差を生じた。すなわち,育成期間中の発育は,移行期によって異なることが認められた。2.この移行期による発育の差から,移行期は次の3つの季節型に分けられた.春夏型(SS型)5,6,7,8月移行期群春秋型(SA型)4,9,10月移行期群冬春型(WS型)1,2,3,11,12月移行期群3.この季節型相互の間には,調査期間中の増体量に5%水準で有意な差があり,SS型が最もよく,SA型WS型の順序であった。この季節型発現に最も大きな影響を与える要因は季節と遭遇する月齢であり,春(4,5月)に高月齢で遭遇したものほど発育がよいことが明らかになった。しかし月齢そのものは,すくなくとも7〜20ヵ月齢の間では,季節型発現に影響を与えないものと考えられた。4.SS型が最もよい発育を示したのは,越冬後第2回目放牧期を迎えて急速に発育すること,すなわち代償性発育によるものと考えられた。
- 日本草地学会の論文
- 1979-04-30