傾斜地の草生改良に関する研究 : V.傾斜草地の環境特性
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概要
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この報告は,1957年から1967年までの間に,徳島県の山間自然草地の環境条件を調査した地区のうち,代表的な50地区を描出して巨視的にまとめたものである。草地の地目はすべて山林であり,かつほとんどの草地の標高は500m以上である。従って地形は急傾斜地が多く,傾斜度10°〜20°が23地区,21°〜30°が17地区をしめ残りの5地区は31°以上であった。また草地の集団面積は50ha以下が35地区,100ha以下が11地区,200ha以下が4地区であった。草地を植生型で分けるとススキ(MT)型が37,ネザサ(SA)型7,ススキ(MT)・かん木(BU)型4,喬木(FT)型,雑草(WE)型が各1であった。MT型草地の生産力は,調査時期と場所により大差があり,10a当り生草重は,700kg〜6,300kgであった。SA型草地の生産力は,調査時期や場所による差が少なく,10a当り生草重は500kg〜1,550kgであった。土壌は四国山脈が火山灰土壌で,腐植や水分の含量が多く土層も深い。讃岐山脈の草地土壌は和泉砂岩の崩積土または残積土で,表土が浅く,礫を多く含み腐植が少ないので,保水力が乏しく表土が乾燥し易い。
- 日本草地学会の論文
- 1971-07-29
著者
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