細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの子実体形成期における予定柄及び予定胞子細胞の動きについて
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概要
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D. discoideum細胞が子実体を形成する際に行う形態形成運動は,細胞外のc-AMPに対する走化性を介して制御されたそれら細胞の集団運動を直接応映したものであった。又,細胞の運動性の変化がc-AMPの濃度に依存するばかりでなく,子実体を構成する2種類の細胞間には,運動性に関して,有意の差が存在する事も初めて明らかになった。つまり,予定胞子細胞の運動性は常に予定柄細胞のそれより高かった。更には,この差もc-AMPの濃度変化に依存した,即ち,それはc-AMP濃度が低くなるにつれて大きくなった。これらの結果は,子実体形成運動が,主に予定胞子細胞の"押し上げ"運動によって遂行されている可能性を示唆している。この予定胞子細胞の動きは,子実体形成運動の最も重要な目的に適った,合目的に制御された運動と思われる。
- 横浜国立大学の論文
- 1983-10-00
著者
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