細胞性粘菌Dictycostelium discoideumの移動体中の細胞運動について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本実験では,D.discoideumの移動体における細胞集団運動の機構と細胞分化との関連を解析するための第一段階として,移動体を構成している2種類の未分化の細胞,即ち,予定柄細胞と予定胞子細胞,間にそれらの細胞の動きを制御すると考えられるc-AMPに対する感受性に関する何らかの差が存在するかどうかをテストしてみた。その結果,各々の細胞のc-AMP感受性の変化は,c-AMP濃度に依存するばかりではなく,それら2種類の細胞間には,c-AMP感受性に関して,有意の差が存在することも初めて明らかにされた。更には,1×10^<-5>Mから5×10^<-6>Mのc-AMP濃度範囲においては,それら2種類の細胞の運動性が逆転する事も明らかになった。これらの結果は,移動体のmigrationという細胞集団運動を形態形成,及び,細胞分化の問題と関連づけて理解する上で,基本的に重要な知見と思われる。
- 横浜国立大学の論文
- 1983-10-30
著者
関連論文
- 細胞性粘菌Dictycostelium discoideumの移動体中の細胞運動について
- 細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの子実体形成期における予定柄及び予定胞子細胞の動きについて