北原白秋による,「西洋式」童謡への批判について
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概要
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北原白秋は1920年,鈴木三重吉宛の手紙の中で,童謡に曲をつけることや,「西洋式」童謡に否定的な意見を述べた。一般にこれは,白秋が当時の唱歌と西洋音楽とを同一視したことが要因といわれている。しかし,その一方で白秋の詩にはかなりエキゾチックな異国趣味的要素やことばがふんだんに用いられており,そのことから考えると白秋は単に「西洋」を批判していたわけではない。本論では白秋の詩における西洋,異国趣味的要素や,当時の唱歌,童謡をとおして,白秋が具体的に何を批判し,「西洋式」としたのかを考察した。