町田市における団地建設の影響とその後の課題 : 少子高齢時代の団地再生

概要

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1960年代,大都市郊外部において大規模団地の建設が行われ,短期間に人口が急増した。その結果,行政需要の急速な拡大を生じ,団地周辺の居住者および自治体にさまざまな影響を及ぼした。本研究は,町田市における団地建設を対象として,都市施設整備の負担増などの影響を整理するとともに,その後の自治体の対応と現在の課題を分析している。まず,1970年に町田市の発行した「団地白書」を振り返り,当時の問題を整理している。続いて,その後の対応を調査するとともに,残された課題を提示している。また,新たな問題として,団地居住者へのヒヤリング調査によって建設後30年以上を経て,住宅の老朽化と居住者の高齢化が進行していることを明らかにしている。こうしたヒヤリングでは,団地の居住環境が居住者に評価されているものの,自治会への参加率の低下や空き家が増加するなど,団地は衰退状況を示している。さいごに,団地建設による自治体行政への影響が現在も残されており,さらに新たな問題も生じていることを示唆している。そして,とりわけ高齢化への対応と住宅の改善の必要性が高く,高齢居住者が安心して住み続けられる居住環境整備が急務であることを結論としている。