北海道中部・南東部におけるノゴマとコルリの生息状況

概要

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1976〜1998年の4月下旬〜6月下旬(高標高地では7月下旬)に北海道中部・南東部の調査路506か所でノゴマとコルリの生息状況を調べた。ノゴマの生息環境はおもにハイマツ林と平野部の河川敷であったが,コルリのおもな生息環境は森林で,これら2種の分布は重ならなかった。ノゴマの出現率は,ハイマツ林で20%,河川敷で74%と高かったが,その他のタイプの森林で0〜10%,農耕地・林で19%,農耕地で24%,住宅地で11%と低かった。コルリの出現率は常緑針葉樹林,針広混交林,落葉広葉樹林で66〜76%であったが,森林のなかでもカラマツ人工林で37%,農耕地・林で37%,農耕地で14%,河川敷で16%,住宅地で6%と低かった。垂直分布では,ノゴマはおもに標高200m以下と801m以上,コルリはおもに標高201〜801mに生息し,両種の分布の類似性は非常に低かった。調査路2kmあたりの観察個体数(平均値±SD)は,ノゴマではハイマツ林3.2±3.6羽,河川敷1.8±2.1羽で,森林では全般に少なかった。これに対し,コルリの調査路2kmあたりの観察個体数は,常緑針葉樹林1.7±2.3羽,針広混交林1.9±1.7羽,落葉広葉樹林1.6±1.8羽,カラマツ人工林で0.4±0.8羽で,それ以外の環境では全体に少なかった.
帯広畜産大学の論文
1999-10-31