大雪山系然別地域の岩塊地における小哺乳類

概要

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1.大雪山系東ヌプカウシヌプリ山の岩塊地で,1991年6月から10月まで生け捕りわなによる小哺乳類の生態調査を行なった。また,10月に岩塊地ではない標高900m地点と500m地点に捕殺わなを設置し,ネズミ相を比較した.2.岩塊地で捕獲された小哺乳類はエゾトガリネズミ,オオァシトガリネズミ,エゾヤチネズミ,ミカドネズミ,ヒメネズミ,エゾアカネズミ,エゾシマリス,エゾナキウサギの8種だった。エゾトガリネズミとエゾシマリス,っいでエゾヤチネズミが優占的だった。3.岩塊地において,エゾシマリスとヤチネズミ類とは森林部で,エゾナキウサギは露岩部で多く捕獲された。エゾトガリネズミは森林部,露岩部,ハイマツのパッチのいずれでも捕獲された。4.標高900mの調査地ではオオアシトガリネズミとエゾヤチネズミの2種が捕獲され,標高500mの調査地ではムクゲネズミ,エゾヤチネズミ,ヒメネズミ,エゾアカネズミの4種が捕獲された。ムクゲネズミの標高500mでの捕獲は表大雪山系では最低標高の記録である。5.岩塊地における小哺乳類の生息状況は,北海道のハイマツ林や高山帯針葉樹林でのものとほぼ同様であったが,エゾナキウサギとエゾシマリスが多ぐ生息すること,エゾトガリネズミがハイマツのパッチに多く生息するという点が特徴的である。
1993-10-25

大雪山系然別地域の岩塊地における小哺乳類

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