エゾシカによる農作物被害の実態と防除法およびその効果 : アンケート調査

概要

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1.北海道十勝支庁管内の足寄町,新得町,大樹町と釧路管内の阿寒町において,エゾシカによる農作物被害が多い地域の農家を対象に,被害の実態と防除法およびその効果,シカに対する感情や行政機関への要望について,アンケート調査を行った。また,電気柵の基礎実験を,シカ飼育場で行った。2.ビートとマメ類は5〜6月と9〜10月に特に被害が多かった。牧草は,一年中被害があるが,4〜5月と9〜10月に特に被害が多かった。3.農地に現われるシカの群れは,10頭以下の場合が多く,雌が雄よりも多い場合が多かった。4.被害発生の要因として,農地がシカの生息地に近いかどうかという地形的条件が大きく,次いでシカの嗜好する作物の種類かどうかということだと考えられる。5.使用される主な防除方法は,網,爆音器,忌避剤,電気柵で,有効率はそれぞれ41%,14%,36%,100%だった。6.農家のシカに対する感情は,悪い場合が多く,次いで好悪併存の場合だった。7.行政機関への要望としては,駆除が多く,他に被害の保障や防護柵の設置があった。8.電気柵の実験では,35cmと65cmの段の間をシカはくぐり抜けた。追いかけると,220cmの高さを跳び越えた。9.電気柵が防除に最も有望であるが,くぐり抜けや跳び越えがないように柵のデザインを考え,誘引剤を開発することが望まれる。
1990-11-30

エゾシカによる農作物被害の実態と防除法およびその効果 : アンケート調査

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