岩手県内の主な地域の中学生とその母親の身体状況と食生活の現状(2)
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概要
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骨粗鬆症の予防を目的に、特にその予防に関わりの深い食事に注目し、成長期の子供とその母親を対象に身体状況あるいは食物摂取状況等について調査した。今回は岩手県内の県南部地域のG-中学校、県央部地域のI-、J-およびK-中学校、県北部地域のN-中学校の5ヵ所の中学校の2年生とその母親を対象に実施した。得られた主な結果は次の通りである。1)全ての中学校の男子および女子生徒の骨密度は何れも良好な状況であった。また、母親ではG-中学校男女の母親、I-中学校男子の母親およびJ-中学校女子の母親の骨密度が同年齢の基準値に比べ上回った。2)調査した中学校の朝食の欠食率は2.0〜5.7%であった。同時に実施した睡眠時間等の調査から、朝の欠食や食欲がない理由として、睡眠時間が必ずしも直接的に関連するとは言えず、その他の生活面での要因が関わるものと推察される。3)「好きな料理は何か」を調べたところ、生徒は肉料理を好む割合が突出し、続いて麺類、一方、母親では野菜料理の割合が顕著に高く、続いては肉料理と魚料理である。「よく食べる菓子類」について調べたところ、生徒がよく食べる菓子類としてはポテトチップス類等のスナック菓子類、チョコレート類の割合が顕著に高く、母親ではセンベイ類、スナック菓子類、パン類、チョコレート類がよく食べられている。これらの結果より生徒と母親間では料理あるいは菓子類の嗜好に明らかな違いが確認された。4)栄養素等摂取状況の調査から、生徒とその母親、すなわち親子間においては主要栄養素(炭水化物、たんぱく質および脂質)の摂取傾向が類似するということが認められた。5)食品群別摂取状況の調査から、多くの食品群で、中学校男子とその母親問および中学校女子とその母親間の摂取充足率が類似の傾向を示していることが認められ、その他にも幾つかの興味ある結果が得られた。
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