薄筋弁を用いた低位前方切除術後直腸膣瘻の2例

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概要

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直腸膣痩は,直腸癌に対する低位前方切除後や潰瘍性大腸炎などに対する大腸全摘術後に稀にみられる合併症である。低位前方切除術は直腸癌の根治手術として最も一般的な手術法であり,腸管の吻合に自動吻合器がよく用いられているが,その際に縫合不全を生じると,時に直腸膣痩をひき起すことがある。一旦直腸膣凄が形成されてしまうと保存的治療では治癒しない症例がほとんどであって,局所の安静のために人工肛門造設を行い,経肛門的,経膣的な痩孔切除術や凄孔閉鎖術を行っても,15%の症例で再発し,再手術の成功率は5割程度であるとの報告もあり,その治療に難渋することがしばしばみられる。また,人工肛門の存在する期間が長期間となれば,その患者のQOLや満足度は低下するため,治癒率が高く,機能障害を合併しない術式が求められる。我々は2例の薄筋弁充填法を用いた直腸膣痩根治術を行い,良好な結果を得ることができたので報告する。
2006-12-01

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