日韓理工系学部留学生事業に対する留学生自身による中間評価と今後の課題
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概要
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本研究では、日韓共同理工系学部留学生事業(以下、「日韓プログラム」)の中間評価を行うために、日韓プログラムの留学生(以下、「日韓生」)を対象に質問紙調査を実施した。その結果、以下のことがわかった。(1)韓国の予備教育では日本語教育、専門教育、教養教育が行われているが、「大学配置試験」実施の有無や配置大学が決まる時期によって予備教育の内容や日韓生の授業に臨む姿勢に大きな違いがある。(2)韓国の専門教育が日本の大学であまり役立たないと考えている日韓生が多いが、教育内容は改善されつつある。(3)8割近くの日韓生が学部卒業後、勉強を続けたいと考えているが、日本の大学での進路指導が十分行われていない。(4)韓国で予備教育中の日韓生は日本留学に当たって勉強と生活を心配している者が多いが、先輩との連携はよくできているものの、配置大学の教員との連携は殆どできていない。(5)学部で勉強している日韓生の多くは日本語教育がもっと必要であると考えている。