家族看護のための看護概念モデル
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概要
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1994年は、国際家族年だった。千葉大学看護学部に博士課程が設置され、記念の国際学会が「家族看護学」をテーマに開催された。日本の看護教育は病院を中心に医学的分野から発生し、やがて保健福祉の方向に発展してきた。現在、大学教育の中では看護理論に沿ったカリキュラムの展開が実施されるようになり、学際的な看護学の特性を示している。ここ数年は、「家族中心の母児看護」の概念モデルを用いて、母性看護学の教育を展開してきた。しかし、社会状況の変化に伴い、看護活動のニーズは特定の施設内にとどまらず、広く地域社会の家庭内で人々のQOLに関与するようになった。「家族中心の母児看護」のモデルでは、母児の健康問題に焦点をあて、母児以外の家族は看護概念としては、環境として捉えていた。そこで、今回は既成の「家族中心の母児看護」の概念モデルの内容を検討し、集団としての家族ケアに必要な、初学者のための観察事項を考案し、家族看護学の概念モデルを提示した。将来、このモデルに沿って事例研究を重ね、家族のQOLに影響する因子を探究しつつ、観察事項の教育的展開へと進めていこうと考えている。
- 東海大学の論文