意味の概念への心的要因の導入(II)
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概要
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心理分析はそれ自体で一つの学問分野を成すが,言語の意味の諸問題は心的側面と無関係に存立し得ない。言語の意味は外的には聴覚と視覚の対象として物理現象のかたちをとるが,それの心的側面の方が言語の本質に関わっていると見なすのが妥当である。それ故,構造言語学的立場で,言語とは一つの社会集団の成員が伝達という相互交渉を行なう音声象徴であるとすることは,形式面に目を向け過ぎたものであり,意味を有する音声象徴が,生命体の証としての心的機能を具備した人間によって用いられることを無視してはならない。人間に心があるように,言語に意味があり,その意味の概念は心的要因との関わり無しでは把握できないものである。本稿は,意味の種類,語の意味,隠喩,内話の事項をとり上げて,それらと心的側面の関係を考察の主軸とし,音味の概念を明らかにしようとする本のである。
- 1980-03-18
著者
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