帯広協会病院における気管支喘息患者の統計的観察
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概要
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1)最近,帯広畜産大学の学生,職員,職員家族の喘息患者に接する機会があり,加えて帯広滞在の外国人留学生に,本症に関するわれわれの治療法について質問を受けることが多いので,この機会に私たちの過去4年8ヵ月の,成績を整理し,その治療法により,どのような効果差があったかを要約した。2)過去4年8ヵ月間に,帯広協会病院内科を受診した気管支喘息患者総数は,231人である。年齢,性,年度別男女患者数,発病年齢,喘息初発の月,初診の月,病悩期間につき検討したが,一定の傾向はみられなかった。3)喘息発作が6ヵ月以上続き,対症療法に反応しない者を主たる対象として,アレルゲン皮膚反応を行ったところ,カンヂダが最も陽性率高く67%,続いてアスペルギルス35%,クラドスポリウム31%,ハウスダスト26%の順であった。4)発症6ヵ月未満の者では,一般対症薬に十分反応し,発作が頓挫する者が多いが,6ヵ月を過ぎると,対症薬のみで治癒する者はほとんどなく,脱感作療法が必要であった。5)脱感作療法の成績は,特異的脱感作法が85%と最も高い有効率を示し,ついで多価細菌製剤72%,金71%,ヒスタグロビン59%の順であった。
- 帯広畜産大学の論文
- 1976-06-25