両側性埋伏下顎第二大臼歯の抜去を行った歯科矯正治療症例
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概要
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患者は初診時年齢が15歳7ヶ月の女子で,両側下顎第二大臼歯が著しく近心傾斜した半埋伏の状態と,叢生の見られるAngle class II症例である.両側埋伏第二大臼歯を抜去し,1ヶ月後に両側下顎第一大臼歯にリンガルアーチを装着し,左側下顎第三大臼歯にバンドを装着しセクショナルアーチにて整直を開始した.埋伏した大臼歯を抜去したことにより,一時的に大きな骨欠損が見られたが,歯周組織の回復は順調であった.抜歯から6ヵ月後,右側下顎第三大臼歯の自然萌出を確認し,さらに左側下顎第三大臼歯の整直も進んでいることから,第一大臼歯までのすべての歯に.022×.028インチプリアジャステッドエッジワイズブラケットを装着した.両側上顎第一小臼歯と下顎左側第一小臼歯を抜去し矯正治療を行った.動的治療期間は3年であった.未萌出であった下顎右側第三大臼歯は,動的治療終了後には咬合を営んだ.また側方運動時にグループファンクションドオクルージョンを示したが,保定後2年を経過した時点で自覚的な機能障害はみられなかった.
- 2007-11-25
著者
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安藤 文人
日本歯科大学歯学部矯正学教室
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安藤 文人
日本歯科大学附属病院小児・矯正歯科
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小林 さくら子
日本歯科大学歯学部附属病院小児・矯正歯科診療科
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小林 さくら子
日本歯科大学附属病院小児・矯正歯科
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守吉 敦子
日本歯科大学附属病院小児・矯正歯科
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原田 博美
原田歯科医院
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