女子学生における肥満度と体力の関係について
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概要
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近年における若年女性の体力低下と痩身傾向の関係に注目し,女子学生を対象に肥満度と体力の関係について検討した。そのためにBMIを指標として対象者を痩身群・普通群・肥満群の3グループに分類して体力診断テストの成績を比較した。BMIと握力・背筋力の間に相関が認められ,肥満度が高いグループほど優れている反面,肥満群は体重が負荷となる垂直跳びにおいて普通群より劣っていた。ただし,同様に体重移動が要求されるサイドステップにおいてはむしろ痩身群が劣る成績を示した。また,痩身群は立位体前屈でも劣っていた。測定した体力診断テスト項目から4つの体力因子(静的筋力,動的筋力,柔軟性,全身持久性)を抽出した後に,それらの因子得点に基づいて体力レベルを5段階評価し,肥満度別グループ間でその分布を比較したところ,静的筋力については肥満度が低いグループほど体力レベルの劣る者の割合が大きかった。その他の体力要素については,痩身群・肥満群のいずれにおいても優れている者の割合は小さく,逆に劣っている者の割合が多い傾向が認められた。
- 2000-03-31