肉腫型悪性腹膜中皮腫の1例

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
悪性腹膜中皮腫はまれな疾患であり,予後不良とされる。我々は肉腫型悪性腹膜中皮腫の1例を経験したので報告する。症例は72歳女性,下腹部痛のため入院。発症前に既往疾患はなく,身体所見では腹水が示唆された。CTとMRIで腹水を認め,術前診断としては消化器癌による癌性腹膜炎を疑ったが,内視鏡検査では原発巣となるものは認められず,腹水細胞診でも診断に至らなかった。腹腔鏡検査が行われ,原発不明な進行した腹膜播種を認めた。腹膜全体に数ミリから3センチ大の結節が多数存在し,結節の一部を採取し終了した。腹膜結節の病理診断は,肉腫型の悪性腹膜中皮腫であった。腹腔鏡から4週間後に患者は呼吸不全で死亡した。本症例のように悪性腹膜中皮腫は診断に難渋することが多い。また,肉腫型の悪性腹膜中皮腫は予後不良とされており,我が国では20例を超える報告がなされている。
自治医科大学の論文
2005-12-01

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク