摂食行動におよぼす親子関係の影響
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概要
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摂食障害の心的要因として,母子関係の問題が従来の研究により指摘されている。しかし,摂食障害を持つ患者は母子関係だけではなく,広く対人関係に歪みを生じていることが示され,対人関係において心理的不安や葛藤をかかえていることが明らかにされている。ボウルビィが示唆したように,親子関係は後の対人関係の形成に深く関わっており,自分自身の親子関係を肯定的に認識しているか,否定的に認識しているかということは社会に対する認識にも影響をおよぼすと考えられる。本研究では,対人関係の基になる親子関係を思春期の頃及び現在について調べ,親子関係が摂食行動にどのような影響をおよぼすのかについて検討した。母親との関係については「母子関係が摂食行動に影響をおよぼす」という従来からの知見を支持する結果が得られた。父親との関係については,性に対して非常に敏感になる思春期に,異性である父親を拒否する感情を抱き,自己の性的発達を否定したくなるような気持ちが,摂食行動に影響をおよぼすことが示された。思春期の頃の母親との関係が摂食行動に影響をおよぼすことは従来の研究からも予想されたが,思春期のころの父親との関係も摂食行動に影響をおよぼすという結果は,今後の父子関係を考えていくうえで意義深く,今後更なる検討を重ねていくことが望まれる。
- 2007-03-17
著者
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