南極越冬基地における医療の国際比較調査
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概要
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2005年10月,昭和基地から外国の南極越冬基地に電子メールを送信し,昭和基地を含めた13カ国18基地の医療事情を調査した.対象基地の越冬隊員数は4-37名,平均年齢は36.4歳であった.昭和基地のみが医師2名体制で,他基地は医師1名であった.女性越冬医師は4名で,全越冬医師の22%であった.医療機器の整備状況から約6割の基地で全身麻酔下の手術が可能と考えられた.過去にさかのぼると,9基地で32例の外科手術が行われており,虫垂切除術が14例を占めていた.死亡例は9基地で18例確認され,大部分は事故死で,病死は急性心筋梗塞の2例であった.傷病者の南極外への緊急搬出は11基地で23例あり,傷病別では整形外科疾患11例,急性虫垂炎3例であった. 緊急搬出の多くは夏期の限られた期間に集中し,冬期の搬出は2例であった.
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