地域に根ざした教育を
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
わが国の最近の教育は種々の問題が顕在化している。文部科学省の中央教育行政は、地方分権を前面に出してはいるものの、その内実は従来と変わらぬ中央主導の姿勢を堅持し、結果は学校現場の子ども・教員が多忙な生活を強いられて、教科書をじっくり教えるところまではいっていないのが現状である。この中で、有名校進学は益々過熱し、塾や予備校に対する期待は大きくなるばかりで、一部の識者からは「公立学校は何をする場か」とまで言われるにいたっている。子ども達は地域での仲間友達との交流は少なくなるばかりで、問題行動を多発させている現実である。本論は、子どもの人格形成は子どもの成育する場、すなわち地域社会にあるとの問題意識から、オーストラリアの中の南オーストラリア州を例に考察した。地域社会にある諸機関や諸団体が子どもだけでなく移民してきた成人に対して、どのように関与しているかを明らかにした。分析を通して、わが国の地域社会での子どもに対する関与があまりにも見られない現実を直視し、オーストラリアの例から何らかの示唆を得たいと考える。
- 山梨英和大学の論文