マススクリーニングにて発見されたヒスチジン血症の検討
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概要
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昭和52年10月より昭和56年9月までの,千葉県下における178,500名の新生児代謝異常マススクリーニングより得られた精検症例を検討する事により,30例のヒスチジン血症の確定診断を行った。これら患児のうち24例にヒスチジン100mg/kg経口負荷試験を行った。その血中ヒスチジン曲線は両親群や対照群に比し高値遷延した。また負荷時の尿中formiminoglutamic acid排泄量も両親群や対照群に比し低値であった。しかしこれらの値によって,病型分類ができる程の症例間の差異は認められなかった。初診時の血中ヒスチジン濃度が8mg/dl以上の患児19例に対しては,低ヒスチジンミルクをもちいて食餌療法を行い,全症例の経過中の血中ヒスチジン値が,3mg/dlから8mg/dlとなる様管理した。1歳時および2歳時において,諸身体計測により身体的発育を,津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法により精神神経学的発達を,田中らの臨床的言語発達検査などにより言語発達を評価したが,全症例が全ての項目にて正常発育発達を示した。患児の家族内検索により,1例の母親例と2例の同胞例のヒスチジン血症を発見した。その内の1例で無治療であった姉の症例に,初診時のIQおよび言語発達の軽度遅延を認めた。
- 千葉大学の論文
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