前立腺疾患のアンドロゲン・レセプター
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概要
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ヒトの正常および病的前立腺に含まれるアンドロゲン・レセプターを定量した。前立腺のホモジネートよりサイトゾールを作成し,これと合成アンドロゲンであるR1881との結合を求め,これより解離定数と最大結合部位数を算出した。サイトゾールのインキュベーションにおいて,トリアムシノロン・アセトナイドの添加は,プロゲスチン結合蛋白による結合をおさえ,アンドロゲン・レセプターのみの結合にするのがわかった。また10mMモリブデン酸を入れることによりレセプターを安定化するので,測定条件を改善した。以上の結果からアンドロゲン・レセプターを定量する測定系を作り,次の成績を得た。(1)アンドロゲン・レセプターは沈降定数8.5Sを示す。(2)前立腺肥大症と前立腺癌は正常前立腺よりアンドロゲン・レセプターを多く含む。(3)正常前立腺と病的前立腺との間に解離定数に差はない。(4)小さな組織片でもアンドロゲン・レセプターを定量できるように一点測定法を実施した。本法は多くの材料より求めた飽和分析による値とよく相関する。これによっても正常前立腺より前立腺肥大症や前立腺癌はアンドロゲン・レセプターを多く含んでいた。
- 千葉大学の論文
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