小児水頭症の脳血管写上の特長
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概要
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36例の6歳以下の小児水頭症について,脳血管写上の特長を検討した。1.動脈像の造影は十分であっても,静脈像は正常小児と異なり,造影が不十分であった。2.側面像でTuberculum sellaeとBregmaを結んだ線の中点と,脳梁動脈がこれを横切る点を偏位量とすると,この偏位は気脳写による側脳室前角極の脳実質の厚みと相関し,脳室の拡大に伴う脳梁動脈の挙上を認めた。3.中大脳動脈主幹の走行のJimenez and Goreeの参考線からの偏位は,一例を除き正常範囲にあり,脳室拡大による変動は有意ではなかった。また側脳室前角極の脳実質の厚みとも有意の相関を認めなかった。4.静脈角は交通性水頭症の症例においても後下方への移動を示した。5.脳底動脈頂部と基準線(鞍結節と内後頭結節を結ぶ線)のなす平均角度は,交通性水頭症では28.0°で,中脳水道狭窄症では14.7°であり,脳室拡大と脳底動脈頂部の位置は,中脳水道狭窄症については相関関係を認めた。6.後大脳動脈はすべて下方偏位し,交通性水頭症では,P_2とP_4間に相関関係を認めた。
- 千葉大学の論文
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