子宮原発中胚葉性混合腫瘍 : 自験4症例と本邦報告例の文献的考察

概要

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WHO分類に該当する子宮原発の中胚葉性混合腫瘍の自験4例を報告するとともに,本邦報告例54症例を加えた58例の組織型,及びその予後との関係を考察した。自験4例は,57〜69歳で発症し,閉経後7〜22年を経過している。術前に診断のついた症例は,1例のみであった。本邦報告例58例の組織型をまとめると,上皮性成分としては,腺癌が51例(88%),類表皮癌が12例(21%),未分化癌が6例(10%)であり,非上皮性成分としては,未分化肉腫が37例(64%),横紋筋肉腫が15例(26%),軟骨肉腫が13例(22%),平滑筋肉腫が8例(14%),線維肉腫が8例(14%),骨肉腫が3例(5%)であった。本腫瘍の予後は,一般に悪く,1年生存率は,41%,5年生存率は,7%であった。類表皮癌を含む症例の予後がことに悪く,14%が1年以上生存しているのにすぎず,一方,非上皮性成分として,横紋筋肉腫を含む例の予後が悪く,22%であった。予後の良いものとしては,軟骨肉腫を含む例で,56%が1年以上生存した。組織発生については,自験例の1例に,癌腫細胞と肉腫細胞との間に,類似性がみられたことから,本腫瘍が,ミュラー管起源の多分化能をもつ中胚葉性成分より発生したとする説を支持したい。
千葉大学の論文