米国による有毒物質の戦時使用と国際法 : ベトナムの枯葉剤被害者による損害賠償請求事件を事例とする考察
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概要
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ベトナム戦争中の10年間に米軍が大量撒布した、猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤には約400万人が被曝した。戦後30年を経た今もベトナムでは、子どもを含む100万人が奇形や脳障害といった重度の先天性異常や種々の疾病に苦しんでいる。同様の健康被害を訴えた自国の退役軍人には、米国政府と枯葉剤製造会社から補償や手当てが支給されてきたが、ベトナムの人々に対しては両者とも一貫して道義的、法的責任を否定してきた。小論は、ベトナムの被害者による損害賠償請求事件を事例として、条約上の明示的禁止を欠く新型兵器や化学物質等の使用規制、その製造・使用の処罰と被害者救済といった、国際社会が現在直面する課題を考察する。
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