人身売買対策における人権の主流化 : 欧州審議会の新条約を中心とする一考察
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概要
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現在、グローバルな規模で蔓延し、深刻化する人身売買に対する国内的・国際的対策は基本的に、犯罪防止・処罰を主眼とする刑事司法的アプローチに基づいて策定・実施されている。それに対して、国際人権基準の設定や実現に関わってきた組織や個人は、「法と秩序」よりも人権を優先させることの必要性を主張し、行動してきた。小論は、人身売買の根本的・構造的要因、人権侵害の側面、対策に必要な包括性と人権主流化の関係などを分析した上で、2000年以降に国連とヨーロッパ地域機構で成立した二つの多数国間条約を中心に、人権主流化の試みの内容、到達点と課題を考察する。Trafficking in human beings is one of the contemporary forms of slavery and one of themost serious global issues the world is faced with. The predominant tendency observed in the measures taken by a number of governments is “law and order” or crime control approach. This essay examines the role and significance of human rights perspective in combating the phenomenon, by focusing on a regional treaty recently adopted by theCouncil of Europe.Keywords : trafficking in persons, human rights, organized crime,
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