精神看護学実習が臨地実習指導者に及ぼす影響 : K病院の指導者の意識から
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概要
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教育現場においては自分で考え,相手を深く理解する力を育てる臨地実習に多くの期待感を持っている。特に精神看護学においては,学生が体験した感情を振り返りながら,精神に障害を持つ対象者の理解や,日常生活の自立への援助方法を学ぶことから,臨地実習指導者への期待は大きく,連携を強化する必要性を強く感じている。看護学生が臨地実習で看護師と共に対象者に必要な援助を創造し判断能力へ統合されていく過程は,系統だった臨床意思決定(decision making)の思考プロセスの学習には有効であると考える。しかし,学内での学習に比べ臨地においては指導者が勤務との兼務が多いため指導体制が一様でなく複雑であることは否定できない。3校の看護専門学校の臨地実習を受け入れている,単科精神科病院に勤務する臨地実習指導者に,指導業務についてどのように考えているのか意識調査を行った。その結果,6名の実習指導者の背景は異なるものの,臨地実習指導には満足していることや,日常業務との兼務や自己啓発のための研修への参加など配慮してほしいと考えていることがわかった。また,学生の記録や受け持った患者へのフォロー等,夜勤明けに実施していることや,担当教員との連携が取れているとは言い難いという回答も得られた。一方,精神科看護が好きであり,学生と関わることは自分の成長にも役立つと考えていることがわかった。その結果,実習現場と教育現場が協力して,臨地実習指導者の援助体制を整えることが急務であることが示唆された。
- 弘前学院大学の論文
- 2007-03-31
著者
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