小動脈の拡張反応におけるスプレッド現象(spreading dilatation)
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概要
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アセチルコリンなどの,血管を過分極させる血管拡張剤を血管の局所に投与すると,血管全体にわたる調和の取れた拡張が引き起こされる。この現象は血管拡張反応のスプレッド現象(spreading dilatation)と呼ばれ,血管網中の調和の取れた血流の形成に重要な役割を演じていると考えられている。血管拡張反応のスプレッド現象のメカニズムを解明する手がかりとして,本現象が血管内皮細胞の過分極反応を伴っている点が興味深い。隣り合った内皮細胞はギャップジャンクションを介して強く結合しており,そのギャップジャンクションは小分子やイオンの通り道となる。したがって,ギャップジャンクションを介する過分極反応の伝播が血管拡張のスプレッド現象に関する鍵となるメカニズムなのかもしれない。内皮細胞は主な過分極反応の伝播ルートとして働いて,広い範囲の血管平滑筋細胞の過分極をもたらし,血管拡張反応のスプレッド現象に主要な役割を演じているように見える。
- 金沢医科大学の論文
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