冠動脈疾患における血漿ホモシステイン及びB群ビタミン,葉酸に関する臨床的検討
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概要
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【目的】冠動脈疾患の新たな危険因子として血中のホモシステイン濃度が注目されている。我々は冠動脈疾患,特に冠動脈硬化症および冠攣縮性狭心症における血漿ホモシステイン濃度の意義を検討するため,冠動脈造影施行患者を対象にB群ビタミン,葉酸との相互関係を臨床病型別に比較検討すると共に,PCI後の再狭窄に与える影響を検討した。【方法】1999年から2002年に金沢医科大学病院循環器内科において,待機的冠動脈造影検査を施行した男性患者連続236例を対象に早朝空腹時に血漿ホモシステイン,B群ビタミン,葉酸を測定し,臨床病型別に比較検討した。【結果】安定狭心症(SAP群)では対照(NONE群)に比べて血漿ホモシステイン濃度は有意に高値を示し,ビタミンB群,葉酸濃度は各冠動脈疾患で差は無かった。有意な器質的狭窄を有する病変枝数別の検討では0枝,1枝,多枝と増加するにつれて血漿ホモシステイン濃度は有意に高値となった。冠攣縮性狭心症(VSA群)では血中ホモシステイン濃度はNONE群との間には有意な差はなかった。またVSA群では血漿ホモシステイン濃度とビタミンB12との間に有意な負の相関関係が認められたが,NONE群では有意な関係はなかった。PCI後の再狭窄と血漿ホモシステイン濃度に有意な関係は認めなかった。【結論】血漿ホモシステイン濃度の上昇は冠動脈硬化症と関係した病態であることが示唆された。
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