御料地形成過程の一断章(2) : 高橋惣太の甘楽御料地の踏査
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概要
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前稿では、御料地はどのように選定されたのかについて、『地籍録』をもとに群馬県の場合の解明に取り組んだ。その際、いまだ測量もされてなく、境界が不明であったり、図面もない所が「将来有益なる土地」との判断で選定された。しかし、境界を確定しなければ御料地経営はできない。実は、これは明治20年代から大正初期にかけて執行されたのだが、これまでそれを取り扱った研究はなかった。そういう事情から、本稿では、宮内庁書陵部所蔵の『土地境界録』に収録されている「功程表」(踏査官の日々の業務メモ)を中心に、関東森林管理局所蔵の『甘楽御料地境界簿』や『甘楽御料地測量簿』、群馬県立文書館所蔵『群馬県行政文書』の諸資料をもとに再現する形でこの過程の探求を試みることとし、いまだ資料の未発掘や欠落部分もあり、推測の箇所も多々あるが、現時点で判明する「踏査への出発から事業終了まで」をまとめたものである。
- 嘉悦大学の論文
- 2006-11-30