World Health Organization (WHO)を中心とした健康関連に関するQuality of Life(QOL)・スピリチュアリティ研究活動の概観
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概要
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世界保健機関World Health Organization (WHO)を中心として健康関連のクオリティ・オヴ・ライフQuality of Life (QOL)・スピリチュアリティの変遷3期に区分して概説した。ここ数年、スピリチュアリティの関心は高いものの、概念、略語などが定まっていないで、国内外の文献的側面からQOL・スピリチュアリティを総説した。第1期 : かつての西洋近世医学を発達させたメディカルモデルは、心身二元論で、医学は身体の分野にのみ貢献するという考えであった。患者の症状が対象であり、生命を守るために医学的に治療による治癒が近代医学の至上命令で、生物学的個体死は医学の敗北であり、医学的な視点から延命を重要し、それをQOLと考えていた。第2期 : 1970年代に北欧諸国において経済成長中心から人間の生活の質への転換があった。一方、病を持った患者の状態を理解するには、患者をとりまくあらゆる環境との相互作用であり、全人的医療への提言や患者の主観的満足感を定量化する必要があった。人に焦点を当てたときに初めて、生命の質や生きることの意義を問うQOLの概念が必要なものとしてきた。第3期 : 1995年になってスピチュアリテイや人間存在の領域(人生の目的、生きることの意味、人間としての成長、死を乗り越えていく力)がQOLに加えられた。しかし、日本においては、スピリチュアリの訳語やスピリチュアルケアの概念は確立されてはいない。人間の存在の領域を問い、スピリチュアリティを包含して、初めてQOLが成立すると考えられる。
- 東京医療保健大学の論文
- 2006-09-30
著者
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