地域看護における心理的価値が看護学生の意欲向上に及ぼす効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
看護職が意欲をもって地域看護実践を継続していくための示唆を得るため,看護基礎教育課程の学生を対象に,地域看護領域の学習においてどのようなイメージを熟成させていくか,またそれらが意欲にどのように影響しているかを検討した。結果として学生は,一体感,親しみ,親密感,あたたかさ,元気が出る,楽しい,充実感,達成感,現実感をイメージし,それらは意欲を向上させることに大きく影響していることがわかった。さらに,知識は講義で広げ焦点化させることは可能であるが,意欲には結びつきづらいことがわかった。知識は,実習により強められた心理的価値観要素のイメージと統合されることで,現実感が増し強化されていた。早い時期に心理的価値を含んだイメージをもつことで,地域看護に対する構えができ学習効果は向上する。そのイメージを維持強化していくことで地域看護実践継続を支えられると考える。今回は,学生のイメージを解析したが,動機づけとは実際には,様々な行動の基本的な作動因としても推定され意識されるものなので,「〜の欲求」というかたちで種類分けされており,発達的な観点から階層性をなすものと考えられている。よって,熟練看護職のイメージを解析することで,看護実践の質も含めてより明確な示唆が得られるものと推測した。今後継続して検討していく。
著者
関連論文
- 自己の生活を通して看護を発展させていくための看護基礎教育方法の検討(その1)(人間科学編)
- 日常生活と看護実践との連環 : 宿泊看護実習を基にした安全性の追求をめぐって(人間科学編)
- 看護展開基盤の明確化に関する研究 : K特別養護老人ホーム宿泊実習指導をめぐって(人間科学編)
- 看護基礎教育課程におけるケースマネージメント能力育成に関する研究 : 臨床実習の"学内カンファレンス"検討(人間科学編)
- 高齢者の誤嚥性肺炎予防 : 看護における現状と課題(高齢者の肺炎予防)
- 看護学生のボランティア体験における学びとその支援(人間科学編)
- 看護教育における臨地実習での「最も重大な体験」に関する学生の感情表現
- 地域看護における心理的価値が看護学生の意欲向上に及ぼす効果
- 事例から見た在宅における高齢者虐待 : 私達ができるネットワークづくり (合同研究会報告)