「点儿」構文の形式類型及び相関意味素性に関する分析
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概要
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中国語の量詞(助数詞)「点儿」の下位分類と意味を分析するうえ、意味論という視点のみからこれを名量詞、動量詞と並立し「不定量詞」と命名することに疑問を持っている。「点儿」は名量詞でも動量詞でもあり、両者兼用の特殊量詞である。意味上では不確定でわずかな数量とちょっとした程度量を表す。また「(一)点儿」「有点儿」「差点儿」が現れた構文の形式類型及び相関意味素性に関する分析を通じ、「点儿」の総体的特性を究明した。「(一)点儿」は形式上でその構文における否定形式の使用を制限し、命令文がよく用いられる。意味上でその構文が肯定的意味であり、期待値に未達成しているため、「(一)点儿」というわずかな数量もしくはちょっとした程度量の出現が期待される。「有点儿」は形式上で命令文に使いえない。意味上でその構文が否定的意味であり、気に入らない、満足しない、好まないなどの状況しか陳述しない。また期待値を超え、わずかな数量もしくはちょっとした程度量の出現が期待されない。状態動詞の前に用いる場合、程度差だけ表し、気に入らない、満足しない、好まないなどの意味的色彩がない。「差点儿」も命令文を用いない。肯定文は否定的意味を表し、否定文は肯定的意味も否定的意味も表す。その判断基準は動作結果の実現が期待されるかに依拠する。
- 2007-03-31
著者
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