学生が自身で問題を発見して解決するために行動し : 結果に責任を持つ能力の育成に関する研究
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概要
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大学において、従来の知識を得させるだけの教育ではなく、問題点を発見し、それを解決する能力を育成するために行った幾つかの成功例についての研究結果を述べた。1. 伏在する様々な問題点を解明する訓練を続ければ、問題点を発見する能力を育成することができる。2. 行動を促すために、具体的な行動の案や事例を示して、決意を促し、自発的に遂行を誓わせた上で、その実践についてフォローを繰り返せば、問題を行動によって解決しようとする姿勢を取り続けさせることができる。3. 企業で実作業に従事させ、その一ラインを任かすという環境下に置けば、責任の自覚が競争心を呼び、切磋琢磨によって、問題点の発見とそれの解決に対して自ら進んで行動し、責任感を持つという能力を備えることができるようになる。教育の本質を考える時、従来の大学教育が社会的な使命に応えているとは言い難い。大学の教育では、単に知識を身に着けるということだけではなく、問題の発見と解決のための行動力、そして責任感が求められなければならない。学生時代の若者には、柔軟な頭脳と強靭な肉体があり、加えてフレッシュな眼というものが備わっている。したがって、それが多少無理な仕事であっても、積極的な意欲さえ持っておれば克服できる。そこで彼らを実社会に飛びこませ、その一郭を任せる時には、自己啓発とともに、様々な発見もでき、責任を持った解決も可能になる。しかもそれが個々の企業の制約からは自由な立場で実行のできるという貴重な存在である。いわゆるエンジニアリングクリニックやインターンシップもここに軸足を置かなければ効果を期待できない。このような潜在能力を持つ学生を放置しておくことは、社会に対しても、また学生本人のためにも大きな損失といえる。ここでは、これらの観点から、大学生に以上の果敢な意欲と眼力と自覚を身に着けさせるために、授業に様々な工夫をこらして訓練を続けた成果について報告した。
- 2001-05-31
著者
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