作業する人間の満足度に関する研究
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概要
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1.作業員によって、頭脳中に発生するアルファ波のレベルが異なるという事実を調査した結果、作業員がその工程を改善した本人の場合には、その工程で作業する時アルファ波の発生が多いことが明らかになった。したがって作業員自身による改善は、その工程を熟知しているというメリットに加えて、リラックスした状態でその作業に取り組めることが、作業員の心理に余裕感をもたらし、作業の安定化、能率の向上、ひいては製品の品質の向上、原価の低減などに好影響を及ぼすことが期待される。2.作業員が「最適環境」中で作業をする場合には、頭脳中にアルファ波の発生を期待できるのは先報(1)の通りである。しかしこの現象を繰り返し観察すると、個々の作業員によってその状態に到達するまでには時間的な差はあるものの、一般に作業員をこの「最適環境」中で繰り返し作業をさせた後には、その環境を変えても、同一の作業を継続する場合には、アルファ波の発生レベルが容易には減少しないということが明らかになった。したがってあまり好感を抱けないような作業に従事する場合でも、この過程を経れば漸次不満が払式されて、ついにはその作業に愛着を感じるようになることが考えられる。3.作業中、例えば他人の呼びかけを受けた時、頭脳中のアルファ波の発生は阻害されるが、その作業が「最適環境」中で行われているのであれば、その阻害されている時間は次第に短くなり、作業員にもよるが、長くても数分間で復元するようになる。さらにこの現象は作業員を「最適環境」中で作業をさせた後、その環境を変えても、その効果は持続する。したがってこのような条件下では、何等かのトラブルが突発した場合でも、作業に乱れを生ずることも少なく、作業に集中し易い結果、同様に製品品質の安定や怪我の防止に役立つ。いずれも作業員が最初頭脳にアルファ波を発生するような環境にいて、対象物を見、それを楽しいと感じるように努力する時は、次第にそれが習慣化して、その環境になくても、その作業が楽しいと感ずるように努めている限り、作業員の頭脳はアルファ波を発生するようになる。ただし、作業員がその対象物の改善を任されている場合には、その作業中に作業員の頭脳はアルファ波を発生し易い。
- 2001-05-31
著者
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